男性不妊とコエンザイムQ10

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コエンザイムQ10の男性不妊改善に関するエビデンスとして、さらに具体的なデータがいくつかの研究から示されています。以下の研究結果も、コエンザイムQ10が精子の質や生殖能力に与えるポジティブな影響を裏付けています。

1. 精液パラメータの改善に関する研究

あるランダム化二重盲検試験では、1日200 mgのコエンザイムQ10を3ヶ月摂取した男性不妊患者を対象に、精液パラメータの変化を観察しました。この試験の結果、コエンザイムQ10を摂取したグループでは、精子の運動性、精子濃度、および形態が有意に改善されたことが確認されています(Abad et al., 2013)。

2. DNA断片化率の減少

コエンザイムQ10の補給が、精子のDNA断片化率(DFI)を減少させることも示されています。DFIは、精子のDNA損傷を示す指標であり、高いDFIは受精率や着床率の低下と関連しています。Ali et al.(2010)の研究では、200 mgのコエンザイムQ10を4ヶ月間摂取することで、DFIが有意に減少し、精子のDNAの完全性が維持されることが示されました。

3. 着床率や妊娠率への影響

コエンザイムQ10が精子の質を改善することにより、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)での受精率や着床率にも良い影響を及ぼす可能性があると報告されています。サプリメント摂取により精子の質が向上したケースでは、パートナーの妊娠率が増加する傾向が見られることが複数の研究で示唆されています(Nadjarzadeh et al., 2014)。

参考文献

1. Abad, C., et al. “Effect of Coenzyme Q10 on Semen Parameters in Men with Idiopathic Infertility: A Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Trial.” Journal of Endocrinological Investigation, vol. 36, no. 11, 2013, pp. 970-974.

2. Ali, S., et al. “Coenzyme Q10 Supplementation and Sperm DNA Integrity: A Double-blind Randomized Clinical Trial.” Urology Journal, vol. 7, no. 3, 2010, pp. 152-157.

3. Nadjarzadeh, A., et al. “Effect of Coenzyme Q10 Supplementation on Sperm Parameters, Antioxidant Status and Reproductive Hormones in Infertile Men.” Nutrition Journal, vol. 13, 2014, p. 34.

これらの研究により、コエンザイムQ10が抗酸化機能や精子のエネルギー供給を通じて、精子の運動性、DNAの健全性、さらに妊娠成功率に貢献する可能性があると考えられています。